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2014/09/11

統制派の綱領「皇政維新法案大綱」


「皇政維新法案大綱」は、1936(昭和11)年2月26日に起きた二・二六事件の後、日本軍部を牛耳って日本を敗戦に導いた統制派の綱領とされているものです。

その内容は、一見してわかるとおり、共産主義と国家社会主義が融合したものとなっており、天皇の財産をすべて国有化し、天皇を軍の下に置くと規定された実におそろしいものです。


日本は江戸時代から西洋列国のアジア侵略におびやかされてきたため、明治維新後はとにかく近代化、国家の西洋化を急ぎました。

そのため、日本人は思想的にたちおくれてしまいました。

第一次世界大戦後のの自由民主の空気、その「思想自由」の空気が日本に輸入したソ連革命思想(共産主義)が入り乱れた結果、第二次世界大戦における日本軍部のような奇形思想を誕生させてしまったのです。


共産主義思想がわが国情を乱したことは明らかです。

戦争中、連合国が立憲政治を貫いたこと(政治の重要判断を下したのは議会だったこと)に対し、日独伊は革新勢力によって軍人が政治を牛耳るよう仕向けられたように思えます。

そして戦後日本も「思想の自由」を謳った「日本国憲法」のために、暴力的な共産主義が台頭してしまいました。

大東亜戦争の悲劇をくり返さないためには、「自由、不戦」を謳った「日本国憲法」の改正が必要なのだと思います。


【二・二六事件-戒厳司令部】
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出典:1954(昭和29)年 日本週報社 橋本徹馬著 「天皇と叛乱将校」

※管理人注:カナ書きをひらがな書きに改め、適宜改行しました。( )内注釈も管理人によるものです。


 左に掲げる一文には、昭和六年(十月事件の年)九月一日の日附があり、十月事件を企てた一派の国家改造計画案といわれるものである。

 これを一読される人々は、それがいかに矯激なものであるかを知って驚くであろうが、彼らが、このような過激な思想を抱けることを知らなかったわが政界の上層部や、知識階級の人達は、しきりに皇道派を憎んで統制派に力を添えた。そうして遂にわが国を大戦への突入──敗戦降伏──へと導いたのである。なお当時の統制派が聖書のごとくに尊んだのは、秦彦三郎中将著「隣邦ロシヤ」であったことも記憶すべきであろう。

 当時の統制派の将校達が、独伊と結托(託)しつつ天皇の名において、共産政治を日本に布こうとしていたことが、これで知られるのである。(編集部)



緒  言

 今や世界は全人類を挙げて不幸の窮底に沈淪(ちんりん:深く沈むこと。おちぶれはてること)しつつあり、此(こ)の不幸を転じ人類の将来をして光明あらしむべき使命は実に人類進化過程に於ける唯一の軌範的発展的存在たる我(わが)皇国日本に厳粛に賦課せられたる使命なり。然(しか)るに内憂外患の駢臻(へいしん:ならんで到達すること)に悩める当代日本が果して此の使命に値し得るや判決は自ら明(あきら)かなり。    曰く 否

 故に皇国は皇国自らの指導原理に拠(よ)る徹底的維新を断行し先づ(まず)自らの軌範を開展し以て之(これ)を世界人類に拡充宣布するを要す。即ち近き将来に於て現在行き詰り乃至は誤れる方向を辿(たど)りつつある資本家主義乃至は共産党独裁国家の全機構を革命し被圧迫人類に加えられたる鉄鎖の桎梏(しこく:手かせ足かせ)を解除し其の自立を支援し以て我(わが)皇国の軌範的生活に則らしめ其の自栄を完成せしめざるべからず(意訳=完成させなくてはならない)。

 而(しか)して(そして)此の崇高なる使命の遂行途上に横(よこた)わる障碍を断除(だんじょ)して其の目的達成に欠くべからざるものは(意訳=欠かせないものは)実に絶大の威力を有する軍隊なることを認識せざるべからず(意訳=認識しなくてはならない)。是(これ)皇国の徹底維新と共に徹底せる国家総動員の必須不可欠なる所以(ゆえん)なり。然(しか)り而して皇国自らの指導原理に拠る徹底維新及(および)之(これ)と兼(かね)該実施せらるべき国家総動員とは実に尊皇愛国の情理に徹底せる所謂(いわゆる)地涌菩薩(じゆぼさつ:釈尊が成仏して以来ずっとその教化を受けてきた菩薩衆)的日本人の   上御一人(管理人注:天皇陛下のこと)にのみ連結せられたる鉄魂に依り遂行せらるべし。約して曰く。

 一切を挙げて 上御一人へ   一切を挙げて国家総動員へ

  皇紀二千五百九十一年(昭和六年)九月一日


皇政維新法案大綱

第一章 通 則

ファショ亜流及共産党に依る独裁への各運動を克服転帰せしめ以て  天皇御親政を翼賛確立することに依り維新日本を建設する


第二章 皇政維新の眼目

 政治、経済、社会、思想、教育、外交、国防等各部門に於て国体原理に基(もとづ)く徹底更建を断行す

第三章 準備作業

其一 満蒙問題、軍縮問題を契機とし国防乃至国家総動員法に関する与論を喚起激成せしむると共に鞏固(きょうこ)なる図根点に拠る経営細胞を組織結成す

其の指導要領順序左の如し

(イ) 軍民一致満蒙経営

(ロ)一切を挙げて 天皇へ

(ハ)一切を挙げて国家総動員へ

其二 満蒙に於ける軍事的占拠の拡充を決行し満蒙経営の主眼左の如し

(イ)内鮮(管理人注:日本と朝鮮)人口処理 満蒙に対する農工商等の集団移民を国営す

(ロ)国家総動員資源の取得 国営乃至国管下の民営制に依り国総資源を満蒙に需(もと)む

其三 (ナシ)

其四 満蒙経営を軍民一致を以て一貫不動に主張し之(これ)を槓桿(こうかん)として国内政権財権の所在転動を策しつつ改造進入す

其五 不当存在の中枢処分を準備す

其六 陸海軍をして戒厳準備の姿勢に置く

第四章 維新の緒動

其一 好機に投じ不当存在の中枢を処分す

其二 大命降下

第五章 維新の発程

其一 天皇大権の発動に依り一切の政党を禁止す

其二 天皇大権の発動に依り既成言論機関を閉止す

其三 天皇大権の発動に依り全国に戒厳令を布く

其四 天皇大権の発動に依り憲法を停止す

其五 天皇大権の発動に依り両院を解散す

第六章 維新発程直後の処理

其一 天皇大権の発動に依り枢密顧問官其の他の官吏を罷免す

其二 天皇大権の発動に依り宮中を一新し天皇を輔佐する顧問院を設く

其三 天皇大権の発動に依り国家改造内閣を任命せらる、内閣は  天皇の宣布せる国家改造の根本方針に則り改造の諸務を執行す

其四 天皇大権の発動に依り華族制度を廃止す

其五 天皇大権の発動に依り不用諸法律を廃止す

〔註〕 国家改造間の国際関係は衝平の理を活用し努めて外端を避け以て国家改造に支障なからしむ(意訳=支障がないようにする)

第七章 皇政維新の第一期

 此の期間に於て第二期以降の更建の基礎を確立す

其一 天皇は各地方長官を一律に罷免し国家改造知事を任命し内閣直属の機関となす

其二 天皇は在郷軍人団を以て改造内閣に直属したる機関となし国家改造中の秩序の維持及(および)下掲諸務の執行に当らしむ(意訳=当たらせる)

 在郷軍人団は各地区に於ける全在郷軍人等普通の互選を以て在郷軍人団会議を構成し任務遂行の常設機関となす

 必要なる官庁団体を以て協力支援せらるるは勿論(もちろん)なり

其三 天皇は皇室所有の土地、山林、株券等を国営に下附し第二期以降の処分に於ける範を垂れ給う

〔註〕 国家改造の主要機関左の如し



第八章 皇政維新第二期

 此の期間に於て経済部門に処理を行い将来の基礎を確立す

其一 通則

1 天皇は国民に対し原則として一切の私有を禁止す

2 大資本家による国家統一の経営を実現す

其二 私有財産処分

1 天皇は日本国民一家の財産私的所有の限度を定め限度以内の所有を時宜的に黙許す

2 財産私的所有限度以上の超過額は凡(すべ)て無償で上納せしむ

3 在郷軍人団は各地方に於ける財産私的所有限度超過者を調査し其(その)徴集に当る

4 上納せる財産は下掲国家の統一使用に供す

其三 土地処分

1 天皇は日本国民一家の土地私的所有の限度を定め限度以内の所有を時宜的に認許す

2 私的所有限度を超過せる土地は凡(すべ)て無償を以て上納せしむ

3 在郷軍人団会議は在郷軍人団の監視下に於て私的所有限度超過者の土地徴集に当る

4 天皇は農耕地の大部分を農村民に対し村落自治体単位に交付し各村落自治体をして国家の管理下に努めて協力耕作せしむ

5 大森林又(また)は大資本を要すべき開墾地は又は大農法を利とする土地は総(すべ)て国営とす

6 都市に於ける宅地は国営を原則とし別に此の原則に基く国管下の民営制を採用す
  即ち漸く以て努めて都市自治体の経営に移す

〔註〕 農耕地に関する禁制

⑴ 農家以外の農耕地所有を禁止す
⑵ 土地は売買其(その)他の方法に依り私有間に於ける保管転換を禁ず
⑶ 所有者は必らず耕作の義務を有す(然る時農家一戸の私的所有限度は二町歩内外を出でざるべし)
⑷ 土地は水田、畑地、宅地以外の他の目的に使用するを許さず

其四 資本処分

1 天皇は資本の私有を禁止す

2 私有資本は凡(すべ)て無償を以て上納せしむ

3 国家の管理下に於て其の限度の私的生産業を認許す

4 資本徴集機関は在郷軍人団会議なること前掲の如し

5 徴集せる資本は国家の統一使用に供す

其五 其の他の処分原則

1 天皇は私人間の金利受授を禁止す

2 農村には工業都市的設備を加え都市には農園を附属せしめ万人勤労心身交替主義を実践す

3 改造後に於て生くべき限度外財産は凡(すべ)て不断上納制を以て処理す

4 産業及(および)住宅は国営を原則とし別に此(この)原則に基く国家管理下の民営制を採用す

5 国家の生産的機構左の如し

 銀行家

 各種銀行より徴集せる資本及私的所有限度を超過せる者より徴集せる財産を以て資本となし海外発達に於て豊富なる資本と統一的活動、他の生産的各省等への貸付限度内に於ける私的生産者への貸付、通貨と物価との合理的調整上絶対安全を保証する国民預金等

 航海省

 限度内私的生産業者を除く全徴集船舶資本を以て遠洋航路を主とし、海上の優勝を占む又艦船建造に関する経営を行う等

 鉱業省

 限度内私的生産業者を除く各大鉱山を経営す

 銀行省の投資に伴う海外工業の経営、新領土取得の時私的(限度内)鉱業と併行して国有鉱山の積極的経営等

 農業省

 国有地の経営、自治体単位に交付せる全農耕地及其の経営の監督、台湾製糖及森林の経営、台湾、北海道、樺太、朝鮮の開墾又は大農法の耕地を継承せる時の経営

 工業省

 徴集せる各種工業を調整し大工業組織を完備し外国と比肩し得るに到らしむ限度内私的工業の監督及其(その)企及し得ざる工業の経営陸海軍各製鉄所兵工廠等の移管経営等

 商業省

 国家生産又は私的生産に依る一切の農業的工業的貨物を按配し国内物資の調節をなし海外貿易に於ける積極的活動をなす

 交通省

 現在の鉄道省を継承し全鉄道の統一経営、将来新領土の鉄道を継承し更に敷設経営の積極的活動をなす

 私的限度内生産業としての支線鉄道を監督す

 其(その)他国営の交通機を経営し自治体及私的生産業者の交通機を監督す

 国庫収入

 生産的各省よりの莫大なる収入は殆(ほとん)ど皆消費的各省及国民の生活保障、発展に支出することを得、生産的各省は私的産業者と同様に課税せらる

 労働省

 内閣に之(これ)を設け国家生産及私的(限度内)生産業者に雇傭(用)せらるる一切の労働者の権利を保護す

〔註〕 
⑴ 生産的各省は固(もと)より消費的各省又国家総動員省と密接に連繋せらるるを要す
⑵ 各省統督事項中自治体(下掲)に移管するを適当とする事項は漸く以て自治体の管掌に移す

第九章 人口処理

 内鮮共各戸の次・参(三)男、次・参(三)女等商業国営を原則として実施する結果生ずべき商業従事者等は之(これ)を集団として満蒙に移住せしむ。将来に於ける人口処理及新領土の開拓及民族同化は此の原則の拡充に依る

第十章 税制

 天皇は公賦公課を通じ三公七民乃至四公六民の定率を以て税制の標準となす

 基本的租税を除く各種悪税を廃止す

〔註〕 税制の詳細に関しては我(わが)旧制(大化以降)と現時の情勢とを較良検討するを要す

第十一章 皇政維新第三期

 前記を承け国家の内容を充実発展せしむる企図の下に自治体を上部構造とする家族単位の国家を確立する

 自治制に関する要項左の如し

其一 農村自治

 其(その)村内各戸の代表者を以てする平等普通の互選に依り、才幹徳操ある自治体代表者若干名を推挙し之(これ)を以て自治会を構成し左記の権能を使用するに至らしむ

1 村内治安の管掌権

2 村民の衣食住物資に関する処理権

3 村内の防衛、衛生及戸口の管掌権

4 村財産及経費の処理権

5 他町村との交渉権及交通権に関する交渉権

6 教育機関に対する監督権

7 村民の葛藤に関する仲裁権

8 村内住民の営業に関する管掌権

9 工業都市的施設及運用

其二 都市自治

 農村自治に準ず

其三 工業自治

 概して農村自治に準ずべきも尚(なお)左の如し

1 住宅の設定

2 食糧の常備

3 職業の保証

4 戸口の掌理

5 衛生機関の設備及管掌

6 治安機関の設備及管掌

7 教育機関の設備及管掌

8 農園施設及之(これ)が運用

〔註〕 自治制の再建は国家の管理訓導下に於て漸く以て進めらるべきものとす

第十二章 皇政維新第四期

其一 地方議会

 各自治団体に於ける全戸代表者を以てする平等普通の互選に依り推挙せられたる丁年以上の男子を以て自治会各自治会代表者を以て地方議会を構成せしむ

其二 国会

 各地方議会議員の平等互選に依り推挙せられたる者を以て衆議院を構成せしむ

 別に勲功者間の互選及勅選に依る議員を以て審議院を構成せしむ

 審議院は衆議院の決議を審議せしむ

 国会は  天皇の宣布せる皇政維新の根本方針を討論するを得ず 

其三 憲法発布

天皇は憲法を制定し之(これ)を宣布す

其四 地方長官

漸を以て各地方毎に平等普通の選挙に依り推挙せられたる才幹徳操者を中央に申達せしめ 天皇は之(これ)を内閣に審衡せしめたる後適任者を以て其の地方の長官に任命す

第十三章 皇政維新第五期

 政治経済部門に於ける新制を更張し以て社会教育、思想、外交、国防各部門に於ける更新を行う

 但し右は皇政維新維新の第一期より序次的に企画遂行せらるべきものとす

附 則

其一 官庁は其(その)数を多く規模を小にし能率第一を本旨とす

其二 官吏は少数厳選を本旨とし現時の悪弊を一掃す

其三 国民大衆を挙って心身勤労の殖産に従事せしむ

其四 行政区割は漸を以て天然の形勢に応ずる如く更改設定す

其五 皇都は適当の時期に於て瀬戸内海の好適なる地区に遷移せらるるを要す

    新首都は予(あらかじ)め適切なる都市計画に依りて企画せられ人口六、七十万を出でざるものとなし人類都市の規範たらしむるを要す。殊に現時浮華にして且(かつ)心身及経済的に悪弊あるものと其の軌を異にするを要す

其六 朝鮮、台湾、満蒙ならびに将来我(わが)皇政を光被し自治体を拡充すべき地方の改造は漸を以て之(これ)に臨む

    原則は国内改造のものを準用す







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